Q4.歯並びが崩れない予防法はありますか?
歯並びは遺伝だけでなく、生活習慣や癖などが大きく影響します。以下のことが見られたら、早期にひとつひとつ取り除いてあげることが大切です。
① 指しゃぶり
指しゃぶりをしていると指で歯を押していることになり、出っ歯になったり前歯の間に隙間ができてしまう開咬になってしまいます。また、指を吸う力が頻繁に上あごに加えられることより、上あごが狭くなり奥歯のかみ合わせが悪くなることもあります。
指しゃぶりは、乳歯から永久歯への生え替わりが始まる前までの5歳までには、やめさせたいですね。ただ、急に指しゃぶりをやめさせようとすると子供にストレスがかかってしまいますので、注意の仕方には気をつけなければなりません。
② 下唇を噛む、頬杖をつく
下唇を咬んでいると下の前歯が内側に倒れてしまいます。そうなると下の前歯の隙間が狭くなって歯並びがガタガタになったり、咬み合わせが悪くなったりします。一方で上の前歯は前に押されるために出っ歯やすきっ歯になる可能性が高まります。
頬杖をつく習慣がある場合、常に片方の顎ばかり押されるため、顎の形が変形してしまい歯並びが悪くなってしまいます。
一度ついてしまった習慣をやめさせるのは難しいです。あまり口うるさく注意すると子供がストレスを感じてしまいますので、じっくりと根気よく子供と向き合って下さい。
③ 舌を前に出す
食べ物を飲み込む時には、舌が上顎についているのが舌の正しいポジションです。食べ物を飲み込む時に、舌が上の歯と下の歯の間に入り込み前に出ていると、前歯の隙間が空く開咬になってしまいます。
前歯の隙間が気になるようであれば、子供が正しい舌の動きが出来ているか、鏡などをつかって子供と一緒に確認してみてください。
④ 食べ物以外のもの噛む
子供が何かを噛む習慣がある場合は、要注意です。幼児ならシーツやタオルを噛む癖がある。小学生だと鉛筆を噛む癖がある。爪を噛むのも同じです。
食べ物以外のものを噛んでいると、前歯が片方だけ飛び出たり、前歯に隙間が開いたりしてしまいます。小学生になり永久歯に生え変わっても癖が残っていると困りますので、早めにやめさせたいですが、本人にとってはストレスをやわらげるための癖の可能性があるので、やめさせたことが逆にストレスにならないよう気を付けてやめさせることが重要です。
⑤ 虫歯の放置
「乳歯は生え変わるから、虫歯になっても大丈夫」と乳歯の虫歯を放置しておくと、歯が抜けてしまうことがあるのですが、まだ永久歯が出てきていない時に乳歯が抜けてしまうと、左右の歯の歯並びが悪くなることがあります。また、虫歯を放置し乳歯の根の先に膿が溜まってしまうと、その下に待っている永久歯が膿の袋に押されて、本来あるべき場所からずれてしまい、変な場所から生えてきてしまうことがあります。
生え変わるからと油断せず、乳歯の仕上げ歯磨きや虫歯の治療をきちんと行って下さい。また、虫歯の早期発見のためにも、小児歯科で定期健診を受けて下さい。
⑥ 親が悪い癖を見せない
子供は、親がすることをよく見ています。まずは、親が歯並びに悪影響を与える癖を子供に見せないように注意し、特に以下のような癖には、気をつけてください。
・横向きに寝る ・頬杖をつく ・爪を噛む ・口を開けたまま物を食べる
⑦ 食生活を見直す
絶対とは言えませんが、食事の時によく噛むことが予防となることがあります。
現代の子供は食生活の変化により、昔の子供より噛む回数が減ってきています。洋食や粉もの(パンなどの小麦粉を使った製品)の食事から、和食中心の食生活にすると噛む回数を増やすことができます。
例えば、朝食にパンを食べている場合には、ご飯とお味噌汁に変えるだけで噛む回数を増やすことができます。噛む回数も考えて献立を決まるのもいいかもしれません。
食べる時の姿勢も歯並びに影響を与えます可能性があります。足がブラブラしていると、咬む時に力を加えることができず、よく咬めません。また、幼児では食べながら歩いてしまう子がいますが、食べ歩きはゆっくりと咬むことができないので、食べる時は椅子に座るように習慣づけましょう。
また、口を開けたまま食べないことも重要です。口を開けたまま食べることは、行儀が良くないだけでなく歯並びにも影響を与えます。
親御さんがお子さんの前で口を閉じておいしそうに食べて見せてから、お子さんにマネをさせて治すといいかもしれません。